雪深い越後魚沼。雪は清らかな水を産み、水は人の技により、上等のそばを育む。
小嶋屋総本店は、そば作りに最適な豊かな自然に囲まれています。
そして暖簾をくぐると、そこには日常と違う空間が開けます。ケヤキ材と土壁が織りなす、
古民家調の雰囲気は、しっとりと落ち着いた気持ちにさせてくれることでしょう。
また、各部屋はそれぞれ異なる意匠が施されており、当店自慢のそばを召上りながら、
日常を忘れて、ゆったりと流れる時間を感じてください。
当店の生そばは、国産の玄そばを石臼で挽いたそば粉を100%使用しています。
つなぎにはふのり(海藻)、つゆだしは天然の鰹節と昆布を使用しており、
化学調味料や添加物は一切使用しておりません。
またご注文には「挽きたて、打ちたて、茹でたて」の「三たて」を守っております。
当店ならではの、つるつるとした喉ごしとしこしことした歯ごたえの、
本物のそばの味覚を、ぜひ総本店でご堪能ください。
店舗入り口のディスプレイコーナーには「へぎそば物語」と題して、写真パネルやへぎそばの歴史にまつわる古民具などを展示しております。
へぎそば(手繰り盛り)と織物(かせ繰り)、そして火焔土器(渦巻き模様)のつながりを歴史ロマンとして紹介いたしております。
吸湿性に富んだ体に優しい土壁には、へぎそばのつなぎである「布海苔」を練り込んでおります。
また店内には欅(けやき)材をふんだんに用いた古民家調とし、床下には、自家製粉で排出されるそば殻を、くん炭にして敷きつめました。
建物内外を彩る土壁は、へぎそばの流れるような盛り付けをモチーフとして、日本屈指の土壁職人・壁匠南雲賢一氏の創作です。
部屋毎に異なる色合いと質感により、総本店は芸術的な感性にあふれた、素晴らしい空間に生まれ変わりました。
越後縮のふるさと、魚沼の妻有郷で糸の糊つけに使った布海苔「ふのり」(海藻)と高冷山間地で育まれたそばをつなぎ、出会わせた小嶋屋初代・小林重太郎。重い石臼でていねいにそばを挽き、長い時間をかけて布海苔を煮とかし満身の力を込めてこね、そばを打った頑固者。
小林の「小」と、この地、木島町の「島」をとり小嶋屋と命名し、小嶋屋のそばの創始として大正十一年に開業しました。創業から、当たり前に守ってきたのは挽きたて、打ちたて、茹でたての心と技。
小嶋屋総本店は、皇室献上の誉れを賜ったこののどごしと歯ごたえを 連綿として受け継ぎ、伝えてまいります。